<ヒヨコ豆 うま味濃厚 >

 海外旅行を気軽に楽しむことが難しいご時世、行ったことがない外国の料理を作って旅行気分を味わってみてはどうだろう。今月からこの欄を担当する各国料理研究家の佐藤わか子さんは世界約20か国の台所を見てきた。初回は「フムスの春野菜添え」。フワフワとした食感とクリーミーな味わいが魅力の中東料理だ。(生活部 宮木優美)


 フムスは、ゆでたヒヨコ豆に練りゴマやオリーブ油などを加えてペースト状にしたもの。イスラエル、レバノン、トルコなど中東の国々の伝統的な家庭料理で、パンや野菜につけて食べる。たんぱく質が豊富で動物性のものを含まないため、近年はベジタリアンが多い欧米でも人気がある。
 佐藤さんは25年ほど前、都内のトルコ料理店で初めてフムスを口にして魅了され、現地の家庭などを訪ねて作り方や食べ方を学んできた。「主菜にも副菜にもなり、パーティーでも喜ばれる。冷凍保存もできるので便利な料理です」
 今回は乾燥ヒヨコ豆を使うが、蒸し豆や水煮でも作れる。ゆで方は大豆とほぼ同じ。指でつぶせる軟らかさになったらゆであがりだ。薄皮はむいた方が食感がなめらかだが、つけたままでもいい。あとはニンニク、レモン汁などを合わせてペースト状にする。ゆで汁を2~3回に分けて加え、マッシュポテト程度の軟らかさに仕上げる。
 今回はフードプロセッサーを使ったが、ミキサーやすり鉢でも作れるという。
 ゆでたアスパラやソラ豆などを盛り付けたら出来上がり。
 薄く切ったパンにフムスをたっぷりとのせて頬張ると、豆やゴマの濃厚なうま味がふわっと広がった。サンドイッチに挟んだり、肉、魚料理のソースにしたりしてもいい。「大豆や枝豆で作ると、甘味のあるねっとりとしたフムスができます。いろいろとアレンジして楽しんでください」

材料

作りやすい量(5~6人分)

ヒヨコ豆(乾燥)200g
練り白ゴマ60g
ニンニク(すり下ろし)小さじ1杯
オリーブ油大さじ2杯
レモン汁大さじ1杯弱
トッピング
ゆでた春野菜(ソラ豆、アスパラガスなど)、ヒヨコ豆(フムス用にゆでたものと同じ)、レモンの皮(千切り)、オリーブ油各適量
クミンパウダー1つまみ

作り方

ヒヨコ豆は6時間以上水につける。水を替え、豆の約3倍量の水で1時間ほどゆでる。指でつぶれるぐらいになったらザルにあげる。ゆで汁は1カップ程度残しておく。

あら熱が取れたら、1粒ずつ薄皮を除き、フードプロセッサーに入れる。練り白ゴマ、ニンニク、オリーブ油、レモン汁、塩小さじ1杯弱を入れ、かくはんする。

豆がだいたいつぶれたら、ゆで汁20cc程度を加え、さらにかくはんする。全体がなめらかなマッシュポテト状になるまで、この工程を2~3回ほど繰り返す。

器に盛り、ゆでた春野菜とヒヨコ豆をのせ、レモンの皮を散らす。オリーブ油とクミンパウダーをふる。

<赤や緑色 華やかに >

 混ぜるものによって、色や味わいを変えることができるのもフムスの魅力だ。
 今回作ったフムスに、アボカドを混ぜれば緑色のアボカド風味に、トマトペーストを混ぜれば赤いトマト風味になる。カレー粉や刻んだオリーブを混ぜ込んでもいい。カラフルなフムスをバゲットにのせて並べるだけで、食卓が華やかに彩られる。

佐藤 わか子さん(各国料理研究家)

 各国料理研究家の佐藤わか子さんは1972年、静岡県生まれ。食品会社で羊肉を扱ったことからスパイス料理に興味を持ち、その後、食の流行を仕掛ける企業でメニュー開発に携わった。トルコ、ベトナム、モロッコ、ペルーなど約20か国の家庭で料理を学ぶ中でその魅力に気づき、2004年に独立。東京都内で料理教室を開く。著書に「塩ヨーグルトをはじめよう」(文芸春秋)、「フムス 豆のペーストレシピ70」(朝日新聞出版)など。「いろいろな国の家庭料理の魅力を知ってほしい」

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